来年の目標やインフレに関する雑感

友人という言葉の意味を、趣味が同じ等何らかのメリットがあって付き合う「理由のある人間関係」、地元の友達や仲のいい同級生のように楽しくても楽しくなくても定期的に会うような「何の理由もない人間関係」と大別した場合、後者の方が、困ったときに何でも相談したり、愚痴を言ったりすることがおおいように思います。

一方で、事業活動を営んでいると悩み事が尽きません。マクロな事業環境、リスク評価、戦略、財務や人事など管理に係ることや、営業、コンティジェンシー対応などミクロな部分に至るまで、常々責任を感じていますし、特につらいのは、信用していた取引先や従業員からの裏切りがあったときです。しかし、基本的にこのような分野について相談できる人はとても少ないのが現実です。この類の話は、本当に信頼している従業員以外には相談できないことも多いし、ましてや友人や家族に相談しても迷惑な話かもしれません。だから、全部背負いこむことが多いです。

すぐ投資する人あるあるですが、私はいまキャッシュ貧乏に陥っているので、どの資産を売るか考えていますが、だれにも相談なんてできません。と思いきや、証券時代の大先輩で一緒に仕事したりすることもある方も、取引先救済の件で資金関連の話をしていたときに、投資のし過ぎでキャッシュ貧乏に陥っていることが判明し、話が通じましたww結局マーケットとタイムホライズンの話につきますねえ、

そういうこともありますが、稀で、なかなか誰かに頼ることができない世界なので、よく孤独を感じます。

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以前Twitterで「稼げない本当の理由は、働かないからです」というツイートを見つけ、「頑張っても給与が上がらない仕組みを、企業が採用している」というコメントをしましたが、なんとなく世間的な解釈とはずれているような感じがしていました。

先日行われた政治家先生主催の勉強会に参加させていただいたときのことです。(招待券さえもらえれば、だれでも参加できる機会でした。)
一次会では、麻生さん、河野さんといった政界の重鎮たちが挨拶しすぐに帰ってしまいましたが、二次会では立食パーティが行われ、某企業の代表者、有名な建築家、大学の先生など各業界の大御所がグラスを片手に語り合っていました。

私にとってはあいさつ回りだけでもとても刺激的で、新人営業マンのように会場をくるくると回っていた時のことです。皆が談笑している中、政治家先生を中心に、インフレをテーマに議論を交わしているグループがあり、その傍らで話を聞いていました。
「日本の物価があがらない、どうすればいいか」
「企業はインフレ(生産者物価のことを言っているんだと思う、その物価上昇)による利益率の低下に耐えていないで多少でも値上げに踏み切ったらどうか」
「事業者は、内部留保をたんまりと抱えていないで、再投資分を確保したら、賃上げを積極的に実施するべきだ」
「働き手がリスキリングすればそれに見合った給与が支払われるはずなので、問題は働き手の技術不足」
等々の会話を端で聞いていると、少し間ができた時に、政治家先生から突然
「お名前はなんですか?」
ときかれ、ド緊張で顔を真っ赤にしながらあいさつした後に、
「どう思いますか?」
と会話に入れていただきました。
「労基の問題です。企業努力によるインフレ改善効果は十分に検討されるべきですが、私はどちらかといえば、雇用制度がキーだと考えています。
つまり、従業員の権利を守るという労基は尊重されるべきだという考えを一旦棄却して、聞こえは悪いですが、米国のように従業員のくびをさらっと切れるようにするのが手っ取り早いように感じます。そうすれば、儲かっている事業者は従業員にいくらでも高い給与を払います。」

そんな話をしたように思います。
事業リスクを考えるうえで、事業の低迷シナリオが顕現した時の雇用コストを考えてみると、雇用や賃上げを慎重に考えざるを得ないというのが現実です。賃金を上げすぎたり、従業員を増やしすぎてしまうと、事業がうまくいかなくなったときに大変なことになってしまいますから、雇用主という視点から見れば、今いくら儲かっているからといって、気軽に賃金という形で還元したり、多くの従業員を雇うという選択を取るには極めて慎重にならざるを得ないのです。
逆に、従業員をクビにしやすくすれば、後からいくらでも雇用コストの調整ができるので、内部留保をため込んでいたり、短期間のキャッシュの入りが多い事業者はいくらでも高い給料を渡すし、高い給与を出しやすい企業が増えれば、労働者がリスキリングで自身の市場価値に見合った額を受け取りやすくなりますし、事業者が商品を値上げしたとしても、消費性向の逓減も限定的になりそうな気がしています。

私の場合は自分が受け取る報酬を自分で決めているので、ちょっと例外的ですが、そういう形態を普及させるのもいいかもしれません。(それはない)

こういった経緯があり、ありがたいことに、政治家先生の秘書の方をご紹介していただき、月一の定例に呼んでいただくことになりました。私よりもはるかに高いレベルで戦っている方々と議論できる機会を得ることができました。本当にありがたいです。

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そのようなシビアな事業環境ですが、ぐちぐち言っていても仕方ありません。私たちは今の売上単位を、1000億、1500億と増やしていかなければなりません。悩むことも多々ある仕事ですが、来年はざっくり以下のような事業活動に取り組みたいと考えています。

 - ブロックチェーン事業とファイナンスで、各事業体を大幅に拡大したい
  - 開発はレイヤー2PolygonでERC20からERC1155へ変更します。

  - Solanaやアバランチはまたの機会に開発余地があります。

  - ST関連の法律は予想通り金融庁管轄になりました。そこで事業開発断念or金融機関等一種金保有事業者の買収を検討しています。
  - シニアローン以外のメザニン、ジュニアレンダーの導入を考えたり、匿名組合出資(優先劣後)のみならず匿名組合出資によって成る合同会社による出資、エクイティ投資あるいはその組み合わせそのものを、ランク制度としてNFTで管理することによって、大口の取引先にとって、多大な利益を得る機会を抽出します。一方で、小口の投資機会も拾うことができるようになります。つまり、これまでの構造では参加組合員等は年率3-5%程度の利益を獲得できるだけでしたが、50%超のスーパーハイパー案件に参加できる可能性があるし、これまで通り、3-5%程度の安定的な収益機会にも参加することができるということです。
  - 上記のランクに応じて、投資機会を産出する機構にあたるコンテンツを選択できるようにします。例えばAIマーカレスのようなハイリスクハイリターンのコンテンツは上位ランク、ミドル層としてホテル開発、商業ビル開発、ゴーストキッチン開発、キックボクシング開発、コインランドリー開発、都市型のデータセンター、民泊、レンタルオフィス開発等々に対するエクイティ投資等は下位から中位のランクといった風に、上述の多岐にわたる商品を作る予定です。これによって、各事業の開発が大幅に拡大・加速可能になります。

  - 一番化けると思っているのはAI事業で、今でこそ一番資金効率が悪く、月間1億前後の売上しかないが、コンティジェンシーしかしてない割にようやってるなという印象です。営業したらどんだけいくんだか、、、他はつまらないがほぼ確実に利益が出せる安定事業です。例えば、ホテル開発は自己資金に対する利回りが安定的に高く、ゴーストキッチンはマネジメントはめちゃ大変だがホテルの数倍資金効率がいいですね。レンタルオフィスは区画に制限があるが、バーチャルオフィスを無限に獲得できるので塵積もですし、ビル開発は矮小地であれば、事業規模5億~10億そこそこですが、土地値は儲かるという普通に考えて結構やばめ案件です。野村のGEMSという用途先行したプロジェクトや、渋谷のスクランブルスクエア2階のような小区画割を韓国コスメ仕様にして新大久保に出すのは、死ぬほどもうかりそうな予感がしているので、やりたいです。仕入れチームを組めば、今は年間120そこそこですが、年間300くらいはいくんじゃないかと思います。ほかはくそつまらないので割愛します。

  - 上記のPER高め案件をベースに、ICOを実施する予定です。上述では、商品の組成頻度によりますが、事業環境のシナリオによって、せいぜい740-920億程度のレンジの売上を見込んでいますが、ICOが本願の利益獲得機会にしたいと思っています。ここは成功すれば数百億、大成功すれば数千億、失敗すれば既存サービスのコストダウン程度の利益を享受できますし、私の性格上、開発コストをかけたくないので、開発チームはかなりユニークな組織体になっています。プロジェクトに応じて、CTO含めて外部人材を活用することで、目的特化のチーム編成に心血を注ぐことによって、最小限コストで最短期間を目指しています。

  - そのほか、絶対につぶさない事業ポートフォリオの構成、各事業体の成長やバックオフィス関連について考えたことは、細かすぎるので割愛します、、、4社もあるし、その中の事業部も複数あるので、、、

 

- なぜここまでブロックチェーンに入れ込むのかについては、ロマンがあるからです。
 - IPOからSVFのような少数株主~100%株主の出資、辺境としてのICOが際立つようになってきた感があります。つまり、これまで高PER事業のオーナーは株式上場によって大きな資産を獲得してきました。当社も期をみて上場させる会社はありますがマーケット環境を注視しています。一方でここ数年間、ソフトバンクビジョンファンド(ARM、アリババ以外はたしか少数株主)のように、ファンドや大手事業者に事業を売却し、何百億、何千億といった資産を築くという話が頻繁に聞こえてくるようになりました。私の知人もゴーストキッチンのフランチャイズ事業を某通信会社に売却して人生上がってしまいました。。。もったいない。さらに直近の話で言えば、ICOが話題に上がることが多いです。CZはあまりにも有名ですが、カルダノ佐々木さんのように、世間一般的には知名度は低いのに何兆円も保有することになってしまった勢も世界中に表れています。何兆円とは言わないまでも、何百億円手に入れましたみたいな人は、マーケットキャップを見ればかなりざらにいます。ICOは、IPOやシンプルな株式譲渡で得られる対価とは、桁が違います。最近はIEOやSTOといった事例も出てきましたが、STは少し性格が異なるので割愛します。
 - ブロックチェーンは世界で開発競争がすさまじく、非中央集権やDAOなど思想レベルの開発、チェーン等の技術的な開発、その上に構築される新たなサービス開発などあらゆるレイヤーで毎日のように事業が生み出されています。そのような過度の競争では、何が新しいのかわからなくなってしまうことがあります。かなりチャレンジングなことをしている業者もおおく、これが最先端の試みなのか、1週回ってオワコンなのか、だれも判別をつけることができないように思います。似たようなサービスも多いですからね。一生懸命先頭を走っているつもりでも、周回遅れでありながらデッドヒートしているだけかもしれないという疑念を抱きつつ勝負しているのです。Web3.0はAxieやSTEPENが火付け役となり、一部物好きの間でかなりの話題となりました。私もやっていたのですが、1日45分歩くだけで、5万円以上稼げていましたから、、、バブルっすね。半年くらいで1日数百円稼げるか稼げないかのサービスになってしまいましたが、、、それらの失敗をもとに、小さくチャレンジするものや、計算方式を変更しただけの亜種、BatやChatGPTで有名なOpenAIのWLDのようにより高次元での派生形が生まれてきています。
  例えば、WLDはとても面白いです。

  WLDのホワイトペーパー https://whitepaper.worldcoin.org/

  WLDは、一口に斬新です。Web3.0時代のアイデンティティとして、「虹彩」を活用しようとするムーブメントを巻き起こそうとしています。日本では割と都会にしかありませんが、Orbという近未来感を感じさせる筐体が各所に置いてあり、Orbを通じて利用者の虹彩データを取得します。こうした虹彩データは、Web3に起こりうるbotやなりすましの制御のために利用する機能として利活用されるとのことです。アイデンティティの確立があってはじめて、web3時代の個人の第二人格は初めて法的な主体性を帯びることが想起されるので、極めて有望なアイディアだと考えます。
  一方で、虹彩データがあれば、データの存在自体によって個人の存在自体が肯定されかつそのデータが特定の個人にとっての唯一無二性を持つものとして扱われるという前提では、虹彩データはかなりセンシティブな情報になるので、民間ではなく公が事業を実施する母体になりたがるだろうなとは思います。また、公が虹彩データではない方法で代替するリスクも大いにあると思います。実際に、何か国はWLDを否定していますね。
  仮にWLDのように民間で事業を実施するとしても、虹彩データを複製したり、唯一無二性を擬似的に作成できたりするなどセキュリティ面もシビアな問題です。私はなにもしていないのに、第三者によるいたずらで逮捕されてしまったみたいなことになりかねません。そのリスクが大きければ、第三者対抗要件を筆頭とした法的な枠組みが作ることが理屈上不可能になってしまいますからね。
  上記の2点は、WLDの存在意義を揺るがす問題ですが、こうした諸問題を解決できるなら、未来のGoogleMicrosoftAppleFacebookのように100兆円企業もありえなくはないです。

 - ちなみに、web3の一部の領域では「to earn」という側面があり、歩いたら儲かる、広告をクリックしたら儲かるなど、要は何かのタスクをこなしたり、役に立てば収益が配分されるという側面があるようです。Youtubeは広告事業なので、ずいぶん構造が違いますが、そこで儲けたい人にとっては同じことです。例えば、ボケてのような、大喜利サービスは、かなり相性がいいのではと思います。笑った人の数をいいねで示すとすれば、笑った数が多い人が稼げる仕組みをつくることですね。いっぱい笑わせた人は数百万、ちょっと笑わせた人は数万から数十万くらいなら、無理なく継続できそうな気がしています。ばずればサービス提供者は大金持ちです。うちはやりませんが、、、

 - 当社も、今上述したサービスを開発中ですが、失敗したら既存サービスのコストダウン程度の利益を享受し、成功すれば、数百億、数千億をそれだけで稼ぎ出すことと信じています。

  というわけで、頑張り度合い世界10%くらいに入れるように適度に頑張ります。