無理難題

無理難題わろた
うちの会社は運用アイディアとテクノロジーを通じて、莫大な利益を獲得することを目的にしている会社です。例えば、ブロックチェーン、マーカレスモーションキャプチャーVRで世界に挑んでみたり、運用資産(不動産や持ち株会社の持ち株)の投下資本に対する(レバはここでは考えない)収益性を5%→30%、40%と上げる策を施して、運用資産自体を売却したり、保有し続けたり、自社ファンドに入れたりしています。

なので、多くの社員は大体取り組んだこともないような無理難題にチャレンジしなければなりません。例えばジャンルは様々ですが、
1,10万円の賃料しか取れない部屋を30万円にするにはどうすればいいのか。
2,GasFeeを競合他社の1/10にまで押し下げるにはどうすればいいのか、
3,フィギュアスケートの採点に使っているマーカレスモーションキャプチャーの技術をスポーツに持ち込んで、世界中に普及するにはどうすればいいのか。

こうした問題を解決することができれば、株式や不動産といった資産価値は極めて大きく上昇します。不動産で月の稼ぎが20万円増えれば年間240万、都心5%だとすれば4800万円の資産価値上昇を見込むことができます。
実際にぼくらは1、2は成し遂げることができて、3はまだ3割程度の進捗ですがうまくいく気がしています。1は前提条件を揃える必要がありますが、例えば高級民泊×海外高給貸し(日本で買い、海外に売る)、ゴーストキッチン、ランドリー、有名キックボクシングジム、モンテッソーリ教育など多岐にわたる事業を行っています。2はレイヤーやプログラムを工夫するよりも「対象国を絞り当該国の法に準拠するプログラムとは何か」という問いかけによって作られたプログラムに達成することができました。3はスポーツ系の筐体は完成して国内向けに販売していましたが、アメリカ、韓国の大手から販売権が欲しいという依頼があり目下交渉中で、人員管理や製造ラインといった諸問題はありますがいいスタートを切っています。

 

そうしたチャレンジングな事業活動に取り組む社員の経歴やスキルセットは様々です。証券、不動産、医師、会計士、メディア、弁護士など多岐にわたる経歴を持った方々が毎日頑張ってくれていますが、業界特化の知識は持っていても、うちの会社ではなかなか通用しないという悩みを持つ社員が多くいることに気が付きました。結果として、いくら労働条件が良くても、周囲と比較して結果を出すことができなかった社員は自信をなくしてしまいます。社員が退職するととても悲しいですし、こんなにも可能性を模索できる会社はないと自負していますから、もったいないなと思うこともあります。

 


何も見えない真っ暗な部屋で、小さな黒猫を探し出すようなもの
どうすれば上述したようなバカっぽくてわけのわからない問題に回答することができるのか。誰も取り組んだことがない極めて難しい問題でも、間違いなくうまくいくはずだというアイディアを特定することさえできればなにも困らないはずです。

 

そのために必要なことは、洞察としか言いようがありません。例えば、ある飲食店の売上を3倍にしてくださいと部下に指示したときに、客数×一人当たりの単価という枠組みをブレークダウンして、客足を伸ばすためには?一人当たりの利益を増やすためには?という問いかけから施策を検討する方もいますが、場合にもよりますが、せいぜい現状に比して20-30%程度の改善しか見込めないことが多いように思います(適当)。営業マンならコールドコールを繰り返すかもしれませんね。一方で、「この店は人気だけど、みんななんで来るのだろうか?」なんて思いを巡らせながら、ロジックを組み立て行く人もいます。これは全く成果が出ないことも多いですが、神業的に多大な結果を生み出すこともあります。後者のケースでは成功の方程式というものはなく、散発的に起こりますが、そのためには、フレームワークから演繹するのではなく、スクラッチで一から事業を組み立てていくのだという姿勢が大事です。


社員に、成果に直結する業務に集中してほしいという想いから、事業を断捨離したり、フロント、バックオフィスを含めた非コア業務はすべてアウトソーシングしかつ場所を問わず管理できるようなツールを導入したりしましたが、そもそも暗中模索が苦手な社員が多いのも事実です。試しに、営業マンに取引先の民事再生案件を任せるなどのムチャぶりによって慣れてくれないものかと任せてみたことがありますが、うまく処理できずに病んでいったですね(泣)ごめんなさい。

では、めちゃくちゃいいアイディアを特定し回収まで持っていけるような洞察とは何でしょうか。個人的に以下のような項目の総合力だと思っています。
 ミクロに、バリュエーション、ロジックツリー、KPIロジ構築、ができるという作業
 マーケ、人事・総務・経理、戦略、財務、業界ナレッジを知っているという分野
 対人能力、情報収集、人脈、交渉、プロマネ、コンティジェンシー対応などジェネラルな領域展開
 地頭の良さ、体力、打ちのめされても戦い続けるしつこさといったゲームにありそうな能力

 

どのようなレイヤーにおいても一様に10段階中10の能力を身に着ける必要があると思います。うちの会社で一番うまくいっている人は、もともと大手IBDのアジアヘッドであり、ものすごく優秀な方ですが、どうしても成功させたい事業の課題は、最低でも50回は成功までの道筋を考え直すと言っていました。すごいね。。。社会学的に、フレームを作って当てはめてみたり、それを手放したりすることは、いい発見につながることがありますので、真似してみようと思います(



最後に
良いアイディアとは、資産の売却なのか、取りこぼしているマーケットの獲得なのか、停滞した社内のモチベなのか、担保余力により高いレバをかけることなのか、より高い収益を獲得するための機会への参入なのか、規模の経済が働くとわかっている事業の買収なのか、僕らの置かれた環境やタイミングによって異なりますが、どのフローにおいても、ありとあらゆる可能性を洗い出して、これならいけるというアイディアを特定し実行することができなければ、ぼくらの成功はないと思っています。そうした洞察がぼくらの唯一のサービス提供ですので、なんとかやりきりたいですねえ。